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つくばサミット弾圧救援会のブログ

5月24日早朝、私たちの仲間Aさんの自宅に突然押しかけてきた茨城県警つくば中央署は窓ガラスを割って強引に侵入し、家宅捜索をした上にAさんを建造物侵入容疑で逮捕していきました。私たちは茨城県警に対し強く抗議し、連れ去られたAさんの一刻も早い解放を求めます。 → 6月14日に解放されました!                 連絡先  メール tsukubakyuuen“あっと”gmail.com        ツイッター つくばサミット弾圧救援会 @tsukubakyuuen  

イベント告知です!

パネル討論<表現の自由>をめぐるせめぎ合い

~街頭アクションの現場からの報告~

 

日時:2017年3月18日(土)14時~16時30分
場所:つくば市立吾妻交流センター和室(茨城県つくば市吾妻1-10-1、つくばエクスプレスつくば駅より徒歩5分)

 

パネリスト

朝倉優子さん(マネキンフラッシュモブ@かながわ共同代表/海老名駅前自由通路訴訟原告)
井上森さん(立川自衛隊監視テント村)
つくばサミット弾圧当該(G7茨城・つくばサミットを問う会)

 

参加費:500円

主催:つくばサミット弾圧救援会

連絡先:tsukubakyuuen@gmail.com

 

街頭行動に向けられた弾圧の具体的な事例について3人のパネリストから報告していただき、いま現在の日本の政治的状況下での、政治的<表現の自由>の実践のあり方とその可能性について考えます。

会計報告

大変報告がおそくなって申し訳ありません。つくばサミット弾圧救援会の会計報告です。救援会としてはこのあと救援会主催の報告会的なものを行い、今回の救援活動の報告集を出して活動を終わりにしたいと考えています。残金はその活動費として使わせてもらおうと思います。もうしばらく私たちの活動にご注目ください。

 

収入(カンパ、物販)      461,442円

支出(弁護士費用、交通費等)       412,731円

残金                48,711円

8月21日(日)に報告会やります

地域の支援者が今回の弾圧についての報告会を企画してくれました。以下、主催の千年一日珈琲焙煎所のブログ 

http://1001coffee.jugem.jp/ 

より転載します。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

ボクの友人がタイホされました。

 

Aさんは、つくば市の国際会議場のロビーにおもむき、イベント視察に訪れていたサミット参加国の大使館職員たちに「UNwellcome G7」「Go away from TSUKUBA!!!」と書かれたプラカードをかかげ、サミット反対の意をうったえました。ほどなくAさんは会場の外へと移動し、会場敷地外の歩道からし ばらく抗議をつづけました。それが3月18日のことです。それから2ヶ月以上たった5月24日の朝、Aさんは建造物侵入の容疑で逮捕されました。そのまま 22日間の勾留です。

 

逮捕の知らせを受けて僕が最初に思ったのは「そんなことで逮捕されちゃうんだ」ということ。そして「警察はよほどひまなんだろうか」ということ。A さんがとった行動についてはいろいろな意見があってよいと思うけど、この程度の抗議行動がゆるされない不寛容さには、こわいものを感じます。この逮捕には あきらかに問題があると思います。

 

Aさんのこの貴重な体験を入り口に「逮捕」について考える場をつくることにしました。Aさんおよび、Aさんの支援活動にたずさわったKさんからの報告を中心に、逮捕に関する素朴な疑問や基礎知識をいっしょに学べたらと思っています。

 

(千年一日珈琲焙煎所 大坪茂人)

 

 日時:2016年8月21日(日)

        開場 18:00 / 開演 18:30

 

 報告者:逮捕されたAさん、支援者Kさん
 聞き役:植田浩平さん(PEOPLE BOOKSTORE 店主)

 

 会場:千年一日珈琲焙煎所

      (つくば市天久保3-21-3星谷ビル 1F)

 

 お問い合わせ:029-875-5092(千年一日珈琲焙煎所 大坪)

 

 主催:千年一日珈琲焙煎所

弁護士費用を払えました

多くの方々からのご支援により多くのカンパが集まり、先日、お世話になった弁護士さんに費用をお支払いできました。ありがとうございました。詳しい会計報告は追ってできればと考えておりますが、取り急ぎのご報告をさせていただきます。

勾留取消請求書

 

建造物侵入被疑事件

被疑者 ×× ××

 

勾留取消請求書

 

2016年6月12日

 

水戸簡易裁判所 刑事係(令状担当係) 御中

 

弁 護 人   吉 田  哲 也

 

現在,頭書事件について被疑者は茨城県警察水戸警察署留置施設に勾留中であるところ,勾留の理由及び必要性はなくなったので,勾留の取り消しを請求する。

 

 

第1 請求の趣旨

   被疑者に対する勾留を取り消す

との決定を求める。

第2 請求の理由

1 本件被疑者には犯罪の嫌疑がなく,また勾留状の被疑事実に拠ったところで本件被疑事実には起訴価値がない。したがって勾留の必要性がない。

⑴ 勾留状記載の被疑事実は,被疑者が3月18日に,つくば国際会議場1階エントランス部分において,同エントランス部分に入館したG7参加国の大使館員らに対し”Unwelcome G7”等と記されたボード(大きさはA3版×4枚程度,以下,「本件ボード」という)を両手に掲げてアピール行為をなした所為をもって,建造物侵入に該当するというものである。

⑵ア しかしながら被疑者は,当時一般開放されていた同会議場北東入口から入館したものである。そして被疑者は,本件ボードを隠すことなく小脇に携行したまま上記入口から入館したものであるところ,入館に際して誰何,用件の確認,制止等を受けることなく,平穏に同会議場に入館している。

イ また被疑者が立入った同会議場は人の起臥寝食がなされる住居ではないのだから,個人の人格的尊厳の核心をなす住居権あるいはプライバシー権等の侵害が問題となるものではない。また被疑者は,自己とは無関係の会議あるいは展示等が開催されている会議室,やブース等の部分に立入って上記所為をなしたものでもないのだから,それら会議あるいは展示の主催者参加者の集会の自由等を侵害するものでもない。

被疑者が立入ったのは一般に開放され自由に出入りすることができる同会議場1階エントランス部分であるのだから,たとえ同会議場管理者の管理権が問題となるにしても,施錠された場所あるいは立ち入り禁止とされている場所に比して管理者の管理権保護に対する期待は自ずから小さいものである。

ウ そして被疑者は上記ア記載の同会議場北東入口からせいぜい10m弱程度立入ったにすぎず,さらに立入った時間は極めて短時間であり,その後やはり開放されていた前記北東入口から自ら同会議場を退出している。

エ 被疑者が同会議場1階エントランス部分でなした所為は前記⑵記載のアピール行為であり,これが政治的意思表明たる表現行為であることは自明であり,憲法第21条1項の「その他一切の表現の自由」の保障の下にある。一般に開放された場所においてボードを掲げてアピール行為を為すという表現態様は,マスメディアへのアクセスが容易ではない個々の市民にとって自己の政治的意思を表明するための重要かつ効果的な表現方法であり,民主主義国家においてはとりわけ強く保護されるべきである。

 

オ したがって,被疑者が本件ボードを隠すことなく携行して入館していることをも併せ考えるのであれば,公衆に解放されているデパート内になんら憲法上の保障を受けることのない窃盗行為を為す目的で,かつその目的を秘して立入るケース等と,前記被疑者の本件所為とを同列に置いて論じることは失当である。

カ そうであるのだから,当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れるのであれば,本件被疑者の立入り行為が法秩序全体の見地から許容されるものであること(最高裁昭和48年4月25日大法廷判決 刑集27巻3号418頁)は至極当然であると言わなければならない。本件被疑事実においては「正当な理由」が存在するのであって,そもそも建造物侵入の構成要件を満たすものではない。

⑶ア 仮に本件被疑事実が建造物侵入の構成要件に該当するとしても,被疑者は本年5月に開催されたつくばサミットに対するアピール行為を行っていたのであり,この政治的意思表明たるアピール行為は高度の公共性と公益性を有するものであって,優越的地位にある表現の自由の中にあっても特に強く保護されるべきものである。そして本件被疑事実とされる所為が上記アピール行為の一環ないし補助手段としてなされたものであることもまた明らかである。生じた実害が殆ど認められないことも併せ考えるならば,本件被疑事実とされる事象に刑事罰をもって応じることは,憲法に反すると言わなければならない。本件被疑事実の違法性は阻却される。

イ 少なくとも前記⑶のように「侵入」の程度,形態はごく平穏でありかつ極めて短い時間に留まる軽微なものであり,実害は殆ど生じていないというべきである。本件被疑事実とされる事象は,法秩序全体の見地からこれを見るときに建造物侵入罪もって処罰しなければ社会生活上許せない,というほどの違法性があるものとは認められない。したがって本件被疑事実とされる事象には起訴価値がなく,勾留の必要性が認められない。

2 勾留の理由も,刑事訴訟法208条2項の「やむを得ない事由」も存在しない。

  勾留延長決定後の勾留状の記載によれば,「押収証拠物の解析未了」,「通話履歴の精査未了」及び「被疑者取調べ未了」の3点が勾留延長に必要な「やむを得ない事由」として挙げられている。

⑴ 裁判官は勾留の理由の存続の有無を常に職権で判断しておく義務がある(新関雅夫ほか『増補 令状基本問題 下』第1版,判例時報社,2013,124頁参照)。

⑵ まず,被疑者が逃亡するおそれは皆無である。

ア 本件被疑事実とされる事象は何ら罪となるべきものではなく,仮に罪に問われうるとしても極めて軽微であって起訴価値もないのだから,被疑者が処罰を免れるため逃亡する事態などおよそありえない。

  イ また本件被疑事実とされる事象の直後,被疑者は,つくば中央警察署警備課所属の警察官らから公道上で旧戸籍名を呼ばれて呼び止められ事情聴取を求められた際に,上記警察官らが本件ボードを写真撮影することに承諾を与えている。しかも被疑者はそれから2カ月余りも勾留状記載の現住居で居住を継続し転居することも行方を眩ますこともなかった。

   ウ 上記の事実から,被疑者に逃亡の必要も意思もないことは明らかである。

⑶ 「押収証拠物の解析未了」及び「通話履歴の精査未了」とあるが,

ア 捜査機関は本件勾留に先行する逮捕と併行して,被疑者自宅からパーソナルコンピューター,SDカード,携帯電話機等を押収している(附言するに,上記押収にかかる捜索差押令状には被疑者をして「黒ヘルグループ活動家」と記載したうえで,差し押えるべきものとして「黒ヘルグループ及び同派傘下団体若しくは対立するセクト等の「規約」,「会議録」,「闘争計画等に関する文書」等が列挙されていた。しかしながら,逮捕の初日につくば中央警察署において被疑者の取調べを行った茨城県警察本部警備部所属と思しき「大下」と名乗る警察官は,被疑者に対し『黒ヘルグループって知っているか?まあ,知っているわけないよな』と言い放っている。笑止千万であり言語道断である)。

ところで勾留状記載の被疑事実によれば,本件被疑事実とされる事象に「共犯者」はいないとされている。そうであるから,被疑事実の計画,目的等に関する押収物以外の「証拠」が被疑者の自宅以外に存在する蓋然性もなければ,その存在さえ確かではない「関係者」なる者と釈放された被疑者とが通謀・共謀して上記「証拠」を隠滅する蓋然性も存在しない。

イ また動機等の重要な情状事実についても,「押収証拠物の解析」であるとか「通話履歴の精査」を行うまでもなく,通常の判断能力を有する一般人であれば被疑者がなした表現行為の内容から容易に理解判明する。このうえ「解析」及び「精査」を行う必要はない。これらをなさねば解明できない事実とは,本件被疑事実の重要な情状事実等と何らの関連性もない被疑者の思想信条や交遊関係等の警備情報でしかないが,そもそも犯罪捜査に名を借りた警備警察活動を許容すべき理由は一切ない。

ウ 何よりも前記ア記載の押収がなされてから既に20日間が経過し,かつ勾留の満期も近づいている。検察官が勾留延長請求の理由とした「解析」も「精査」も,とっくに終えていなければならない筈である。百歩譲って本請求から一両日中では未だ「解析」あるいは「精査」が終了しないというのであれば,そもそも検察官において法定の勾留期間中に起訴不起訴の判断をなすことは不可能な事態なのであるから,被疑者を釈放しなければならない筈である。いずれにせよこれ以上被疑者の身柄を拘束する理由も必要もない。

⑷ また,「被疑者取調べ未了」とあるが,逮捕・勾留の目的は,被疑者を取調べることではなく,被疑者の逃亡あるいは罪証隠滅を防止することに尽きる。被疑者は取調を拒否する意思を明確にしている。「取調べ未了」を理由として勾留を継続することは,警備情報収集のための捜査機関の時間稼ぎと自白の強要に留まらず,被疑者に身体的精神的負担を与えて「見せしめ」にし,被疑者のみならず広く市民の表現活動と政治的意思表明とに対する委縮効果を及ぼすものでしかなく,違法不当である。

    被疑者の身柄を拘束する理由も必要はない。

⑸ 以上のとおり,最早本件においては勾留の理由も刑訴法208条2項の「やむを得ない事由」も存在しないことは明らかであり,本件勾留は取り消されるべきである。

 

3 結語

⑴ 以上のとおりであるから,速やかに本件勾留を取り消し,被疑者を釈放すべきである。

⑵ なお,前記2⑴記載のとおり,裁判官は勾留の理由の存続の有無を常に職権で判断しておく義務があるのであるから,検察官が勾留延長請求の理由として挙げた「押収証拠物の解析」及び「通話履歴の精査」の状況については直ちに職権をもって調査し,調査結果によっては職権をもって速やかに本件勾留を取り消されるよう併せて上申する次第である。

 

以 上

 

弁護人による検事宛意見書

被疑事件 建造物侵入被疑事件

被 疑 者 水戸警察署129号

 

意 見 書

 

2016年6月12日

 

水戸地方検察庁 御中

 

弁 護 人   吉 田  哲 也

 

頭書被疑事件について,弁護人の意見は下記のとおりである。

 

第1 意見の趣旨

不起訴処分としてうえで,速やかに被疑者を釈放すべきである。

 

第2 意見の理由

 1 被疑者は所為は建造物侵入の構成要件に該当せず,被疑者は無実である。

⑴ 本件被疑者(茨城県警察水戸警察署留置番号129号)は,2016年5月24日に,茨城県つくば市の自宅において同県警察つくば中央警察署所属の司法警察員によって令状逮捕された後,同月26日に茨城県警察水戸警察署留置施設に勾留する旨の裁判を受け,同年6月3日にさらに10日間本件勾留を延長するとの裁判を受けたものである。

⑵ 勾留状記載の被疑事実は,被疑者が3月18日に,つくば国際会議場1階エントランス部分において,同エントランス部分に入館したG7参加国の大使館員らに対し”Unwelcome G7”等と記されたボード(大きさはA3版×4枚程度,以下,「本件ボード」という)を両手に掲げてアピール行為をなした所為をもって,建造物侵入に該当するというものである。

⑶ア しかしながら被疑者は,当時一般開放されていた同会議場北東入口から入館したものである。そして被疑者は,本件ボードを隠すことなく小脇に携行したまま上記入口から入館したものであるところ,入館に際して誰何,用件の確認,制止等を一切受けることなく,平穏に同会議場に入館している。

イ また被疑者が立入った同会議場は人の起臥寝食がなされる住居ではないのだから,個人の人格的尊厳の核心をなす住居権あるいはプライバシー権等の侵害が問題となるものではない。また被疑者は,自己とは無関係の会議あるいは展示等が開催されている会議室,やース等の部分に立入って上記所為をなしたものではないのだから,それら会議あるいは展示の主催者参加者の集会の自由等を侵害するものでもない。

被疑者が立入ったのは一般に開放され自由に出入りすることができる同会議場1階エントランス部分であるのだから,たとえ同会議場管理者の管理権が問題となるにしても,施錠された場所あるいは立ち入り禁止とされている場所に比して管理者の管理権保護に対する期待は自ずから小さいものである。

そして被疑者は上記ア記載の同会議場北東入口からせいぜい10m弱程度立入ったにすぎず,同会議場1階エントランス部分に立入っていた時間も極めて短時間であり,その後には自ら,やはり開放されていた前出北東入口から同会議場を退出している。

ウ そして被疑者が同会議場1階エントランス部分でなした所為は前記⑵記載のアピール行為であり,これが政治的意思表明たる表現行為であることは自明であり,憲法第21条1項の「その他一切の表現の自由」の保障の下にある。一般に開放された場所においてボードを掲げてアピール行為を為すという表現態様は,マスメディアへのアクセスが容易ではない個々の市民にとって自己の政治的意思を表明するための重要かつ効果的な表現方法であるのだから,民主主義国家においてはとりわけ強く保護されるべきものである。

エ したがって,被疑者が本件ボードを隠すことなく携行して入館していることをも併せ考えるのであれば,公衆に解放されているデパート内になんら憲法上の保障を受けることのない窃盗行為を為す目的で,かつその目的を秘して立入るケース等と,被疑者の前記本件所為とを同列に置いて論じることが失当であることは自明である。

オ そうであるのだから,当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れるのであれば,本件被疑者の立入り行為が法秩序全体の見地から許容されるものであること(最高裁昭和48年4月25日大法廷判決 刑集27巻3号418頁)は至極当然であると言わなければならない。

⑷ したがって,本件被疑事実においては「正当な理由」が存在するのであって,そもそも建造物侵入の構成要件を満たすものではない。

 

2 可罰的違法性がなく,あるいは違法性が阻却されるから被疑者は無罪である。

⑴ア 仮に本件被疑事実が建造物侵入の構成要件に該当するとしても,前記1⑶のように「侵入」の程度,形態はごく平穏でありかつ極めて短い時間に留まる軽微なものであるだけでなく,すぐに被疑者は同会議場を退出しているのであるから,実害は殆ど生じていないというべきである。

イ そうであるから,本件被疑事実とされる事象は法秩序全体の見地からこれを見るときに建造物侵入罪もって処罰しなければ社会生活上許せない,というほどの違法性があるものとは認められない。

⑵ア それに留まらず,被疑者は本年5月に開催されたつくばサミットに対するアピール行為を行っていたのであり,このアピール行為が憲法21条1項の「その他一切の表現の自由」の保障を受ける表現行為であることは前述のとおりである。

イ この政治的意思表明たるアピール行為は高度の公共性と公益性を有するものであって,優越的地位にある表現の自由の中にあっても特に強く保護されるべきものである。そして本件被疑事実とされる所為が上記アピール行為の一環ないし補助手段としてなされたものであることもまた明らかである。

⑶ そうであるのだから,生じた実害が殆ど認められないことも併せ考えるならば,本件被疑事実は違法性が阻却されるというべきであり,本件被疑事実とされる事象に刑事罰をもって応じることは,憲法に反すると言わなければならない。

 

3 本件被疑事実とされる事象に起訴価値はなく,勾留を請求したことがそもそも違法不当である。

⑴ 本件被疑事実は建造物侵入の構成要件に該当せず,百歩譲って勾留状の被疑事実に拠ったところで極めて軽微であって起訴価値を欠くものであることは明らかである。

この本件において,任意の事情聴取すら求めずいきなり捜索差押をなし,逮捕状による逮捕に踏み切り,それに続けてなされた本件勾留は,本年5月に伊勢志摩で開催されたサミット警備の一環として情報収集と威嚇の目的でなされたものである。このことは,本件被疑事実記載の事象はつくば市で発生し,被疑者の住居もまたつくば市にあるにもかかわらず,被疑者の取調べにあたっているのが前出つくば市を管轄する茨城県警察つくば中央警察署の警察官ではなく,茨城県警察本部警備部所属と思しき警察官であることから明らかである。

⑵ また本年5月24日に被疑者の自宅において執行された捜索差押令状においては被疑者をして「黒ヘルグループ活動家」としたうえで,差し押えるべきものとして「黒ヘルグループ及び同派傘下団体若しくは対立するセクト等の「規約」,「会議録」「闘争計画等に関する文書」等が列挙されていた。

しかしながら,逮捕の初日につくば中央警察署において被疑者の取調べと身上調書の作成にあたった茨城県警察本部警備部所属と思しき「大下」を名乗る警察官は,被疑者に対して「黒ヘルグループって知ってるか?まあ,知ってるわけないよな」と言い放っている。捜索差押令状を請求した捜査機関,唯々諾々と令状発付をなした裁判官の所為は笑止千万であり言語道断と言わざるを得ない。

⑶ 上記警察官の発言に体現されているように,何ら起訴価値のない本件についてなされた被疑者の自宅の捜索,そして逮捕勾留は,犯罪捜査の名を借りた違法不当な警備警察活動である。捜索差押による情報収集と身体拘束による威嚇とによって,被疑者のみならず広く市民の表現活動と政治的意思表明に対する委縮効果を及ぼすものであり,またもっぱらそのことを目的としてなされたものである。不当極まりない。

 

5 結語

   以上のとおりであるから,頭書事件については不起訴処分としてうえで,速やかに被疑者を釈放すべきである。

  

以 上

勾留理由開示公判 被疑者意見陳述

勾留理由開示公判 被疑者意見陳述(2016年6月8日、水戸簡易裁判所210号法廷にて)

裁判官:長坂和仁(水戸簡易裁判所

検事:大牧元 ほか一名(水戸検察庁

 

※私が推敲魔なのを知っている救援会から予め釘をさされておりますので、留置場内で準備した原稿をほぼそのまま転写しました(陳述時には読み飛ばした部分もあります)。法廷内に入った時、ちょっと信じがたい数の方々が傍聴席を埋め、声を上げて(!)応援して下さっている顔々を目の前にしたのは、心底うれしいおどろきでした。平日に地元から、さらには遠方からも駆けつけて下さったみなさまに心から感謝申し上げます。(水戸129番)

 

 

 序

(1)サミット・イベントは続いている

 つくば中央署に拉致され、現在水戸署の留置施設に監禁されております監禁番号129番です。時間がないので早口で失礼します。(傍聴席に向いて)本日はこのイベントにおいで下さいまして本当にありがとうございます。(向き直る)今日は主催は「G7茨城・つくばサミットを問う会」ではなくて水戸簡易裁判所ではありますが、この場は紛れもなく伊勢志摩サミット関連の催しとして開かれています。首脳会議は先日終了して、サミット本体の頂上の方での行事は一段落したわけですが、遥か下の方、ヒエラルキー・システムの末端と社会の底辺部が接しているここでは、まだまだ終わっていません。この事実に私が気付いたのは、今回私のために立ち上げられ、私としてはただただ頭の下がるような必死の奔走をして下さっている「つくばサミット弾圧救援会」、そこに賛同のお名前を連ねて下さっている全国の百近い個人・団体の方々から寄せられたメッセージの中にこういうものがあったからです:「あなたの獄中闘争は反サミット闘争の重要な一つとして闘われています!」 だから私は今日ここに一人で立っているのではありません。この公判を引き受けて下さった吉田さんはじめ三人の弁護士さん、客席の方々、救援会のみなさん、救援会に賛同し又この出来事に関心を払って下さっている全ての方々がこの集会に参加しています。なので私は救援会に寄せられ私まで届けられた数々のメッセージをできる限り引用しながらこれからお話したいと思います。

 

(2)問題の構図:二つの<公>(Administration / Public

 まず、この場では何が問われているのかを適切に構図化してくれているメッセージがあるのでさっそく引用します:「不正義がなされようとするとき、黙過せず声をあげることは人々に対する人の義務です[…]ということでAさんが3月18日に行った抗議行動は公務です。公務である以上、建造物侵入に問われるいわれはありません。[…]茨城県警は市民の公務執行を威力によって妨害したのです」。<公>という日本語がadministration(行政・当局・統治管理)とpublic(公衆・公共・公開)二つの意味を混在させている点を利用して、用語の意味をユーモア含みで反転させています。この観点からすれば、抗議者のpublicな公務執行に対してadministrationからの公務執行妨害または威力業務妨害が起こり、この場で問われているのは、では裁判所はどちらを正しいとするのか、ということであると整理できます。

 以下、この構図に従って、始めにadministrationの無法な暴力について、次にpublicのこれに対抗する力について、最後にこの事案の真の問題点についてお話していきます。

 

 

 1  Administrationの無法な暴力

(1)安倍の違憲・違法な行為

 さて今回の逮捕の理由は何か?建造物侵入などではないことは今さら言うまでもありません。抗議行動に対するadministrationからの報復であり、首脳会議直前の予防検束であり治安弾圧であり、メッセージを引用すれば「明らかに事件性がなく、政治活動への萎縮効果を狙った濫用だと思います。日本の状況はあまりにもひどい。厳重に抗議します」。G7各国の大使館員に対する面と向かっての抗議を許してしまったことに茨城県警は我慢ならないのでしょうが(どっか上のほうからお目玉でもくらったんでしょうか?)、直接行動による政治的主張を罰する法的根拠は当然存在せず、逆に「表現の自由」は基本的人権の中でも最重要なものの一つとして、憲法上はもちろん世界人権宣言でも国際人権規約でも厚く保障されています。が、引用します:「サミット首脳会議開催直前の令状逮捕によって、サミットが共有する価値観「自由・民主主義・法の支配・人権」が支配者にとって都合のいい場合にだけ使われるものだということがよくわかりました」。サミットが共有する価値観云々は安倍晋三の発言ですが、彼の口が「自由・民主主義・法の支配・人権」という単語を発するとは何とも冒涜的なことに感じられますし、これらの語の意味を間違いなく理解していない御本人を除いてこの発言を真に受ける人もどこにもいないでしょう。安倍の理解する「表現の自由」とは ―つくばサミット弾圧救援会の出した声明でも触れられてますが― 国会内で発言中の議員に対し「日教組~」と野次を飛ばすことを意味しますが、長坂さん、これは「表現の自由」ですか?(「私は意見を聞くだけです」とのお答え) 安倍はこの中傷発言について謝罪もせず何らの責任も一切取らず、また「法の支配」によって罰されてもいません。さらに今回の伊勢志摩サミットでは(メッセージ引用します)「安倍は伊勢神宮参拝という政教分離違反を堂々とやるくせに」、わたし留置場にいるので回覧されてくる読売新聞を通してしか分からないんですが、彼が憲法20条3項違反で逮捕されたというニュースは今のところ載っていません。これは読売新聞だからなんでしょうか?このことは問題にされていますか?

 

(2)G7と日本政府の違法性・違憲性・暴力性

 そしてG7です。G7とは、いま挙げた世界人権宣言・国際人権規約を出している国連とはちがって何の国際法的根拠もなく、全世界の約190カ国のうち僅か7カ国が自分達だけ合意して他の全ての国々を排除し、自国のまた多国籍資本のためのグローバル政治経済体制を構築しようとしている、文字通り世界最大の反民主主義的非合法武装組織です。だから私たちはG7の存在に反対しているので、この反民主主義非合法武装同盟が民主主義を騙るとは、G7参加国の一つであるこれまた世界最大の核保有国が広島で核廃絶を訴えるのと全く同様の厚顔無恥な破廉恥ぶりに他なりません。G7の権力の世界的行使は、「法の支配」ではなく「暴力の支配」によって推進されているのは明らかなことです。

 こうした安倍やG7の違法・違憲行為、暴力行為の中でも強調したいのは、このサミットの場において日本が安全保障・対テロ戦争の議論に参加すること自体が憲法9条違反であるという事実が指摘されている点です。特に80年代以降、日本政府は度々この致命的な違憲行為を意志して犯し、その結果として現在の状況に至っているのだということです。

 

 以上、G7・日本政府・安倍による一連の法の蹂躙はなぜ野放しにされているんでしょうか? 引用します:戦争犯罪と武器輸出を推進する「死の商人国家連合」の面々こそ、その責任を厳しく問われるべきではないでしょうか」。これら大犯罪に比して、いまここで問題とされている罪とやらのなんとセコイことでしょう! チャチ過ぎて情けなくなります。私たちの反サミット運動の取り組みを私は「ブラックホールvs蟻」だと称していたのですが、正しくそのような些少さ加減です。ホントにこんな代物がわざわざ弾圧する労に値するのでしょうか。引用すれば「この国にはプラカード一枚分の自由もない[…]私たちは民主主義国に住んではいないのだ(わかってたけどね)」とありますが、この国が民主主義国でも「先進国」でもないことは、ここに立っている私もよく知っています。

 

 

 2  Publicの抗する力

(1)Publicな力の例

 ではなぜ巨大犯罪の方は裁かず、代わりにそれを批判する一個人のちんけな表現の自由の方に司法は飛びつくのでしょうか? 答えは簡単明瞭、誰でも知っています。「暴力の支配」に「法の支配」が従属しているからです。権力および暴力装置を有するadministrationが、そんなものは有しないし有しようとも思わないpublicに対し無法なテロを加えてくるというのは、よくあるありふれた話ですらありますがしかし、引用します:「サミットに反対する集会・デモへの警察の過剰警備や活動家の不当逮捕が常態化しています。警察の言いなりで礼状を発布する裁判所も含めて、常規を逸しているとしか言いようがありません」。ここに、検察の言いなりで勾留状を発布する裁判所も含めたいと思います。

 

 にもかかわらず、administrativeな暴力に抗しようとするpublicな力の表現が絶えてしまうなどということもまたありませんでした。たとえば現在私が監禁されている水戸署の留置場には、今から84年前に山口武秀という人がぶちこまれておりました。山口武秀ご存知ですか? 山口武秀とは1915年、約100年前に現鉾田市に生まれ、生涯鉾田に住み続けた戦後最大の農民運動家・住民運動家です。山口先生のいらした同じ場所に84年後にぶちこまれる栄誉を私に授けて下さった茨城県警には、ゆいいつこの点だけはちょっとだけ感謝してもいいかなと思っておりますが、留置場で私は毎日『山口武秀著作集』(三一書房、1993年)を読んでおりまして、それによれば彼の結成した常東農民組合の小作農・貧農たちは地主の家、役場、税務署、茨城信金どこであろうがずかずか入り込みそこの一番のお偉方を引きずり出し直接抗議し直談判し、1954年3月8日には500余名で太鼓を打ち鳴らしながら県庁に突入し知事室を占拠して当時の友末知事をつるし上げ、友末知事はぶるぶるふるえながら「俺は気が弱いから」とつぶやき、そこに警察隊がやってきて退去命令を出しても誰もそんなものは聞きやせず、かつ誰一人逮捕などされませんでした。またちょうど先週の日曜の出来事でご存知でしょうが、これは相手はadministrationではありませんが、読売新聞の見出しに「川崎ヘイトデモ中止・数百人規模の市民らが阻止」とありました。これはヘイトスピーチ規制法があるとかないとか、神奈川県警と公安委員会がデモの許可を出したとか出さないとか、また神奈川地裁がデモ禁止を命じる仮処分を下したとか下さないとかいう話とは関係ありません。写真を見ると車道上に沢山の人々が座り込み寝転がっていてこれはpublicが実力でデモを阻止したということであり、いっぽう道路交通法違反で逮捕された人が一人でもいたなどとはどこにも書かれていなかったんです。

 

(2)当該事案の問題点

他にもいくらでも挙げられますが、これらの過去・現在の例をみるだけでも、この場で問題とされている事案の本当の問題点がどこにあるかが分かってきます。この件はいったい何が悪かったのか?―― 被疑者が一人だったのが悪かったんです。数百人いれば問題なかったんですよ。数百人で国際会議場のホールを占拠し、大使館員たちの入場を阻止して追い返すべきだったんです。そのような仕方ならば暴力装置も容易に手を出すことはできず、わざわざこんなイベを開く手間かける必要もないんです。これがこの事案に関する問題の所在であり、またこれを結論としてこの場に提出させて頂きます。

 

 

 結  反撃へ

 とはいえ、救援会と弁護士さんには申し訳ありませんが、今回の逮捕は悪いことばかりではありませんでした。地元のそして全国のたくさんの方々がこの出来事に関心を持って下さっています。次々引用します:「見えない所でこういう暴力が横行しているのですね。広く知らせて抗議の声をあげることが必要です。」;「この弾圧への反撃をきっかけに、日本における政治的自由と権利を巡る状況の酷さへの認識が、少しでも広まっていくといいのですが。」;「今回の暴挙を決して前例にしないように、抗議の声を形にして跳ね返したい」;「各地の当該と救援の人達がこういうことで益々強く結びついて行くのも見ている。すごく大変だろうが、みんなで貴重な時間を共有していこう。」そして茨城不安定労働組合:「私たちアンダークラスは数多くの戦いの記憶を思い出し、「失うものは鉄鎖のみ」とあらためて確認するでしょう」。私たちpublicの側からの反撃を次は一人ではなく数人、数十人、数百人で、望むべくば1999年米シアトルのWTO会議を中止へと追い込んだ数万人へと至る、administrationの暴力に屈しない力を、山口先生のおられたここ茨城で追及していきましょう。

 最後の引用です。これで終わります:「茨城県警つくば中央署はよく聞くように。建造物侵入っていうのは、個人宅の窓ガラスを``わざわざ``割って土足で踏み入るようなあなた達がやったことだから、勘違いするな[…]あと裁判所。警察とべったりで司法が独立していないのはわかってはいても目に余る。裁判所は今すぐ司法の看板を下げろ。恥を知れ!!!

 

水戸簡易裁判所が、「法の支配」を取り戻して下さるよう、私は求めます。(傍聴席に向いて)どうもありがとうございました。