5・24つくば弾圧への抗議声明 その2
3月18日に私たちの仲間Aさんは茨城県つくば市の国際会議場で、サミット参加国大使館職員に「UNWELLCOME G7」「GET OUT OF TSUKUBA」と書いたプラカードを手に英語で抗議しました。それだけで2ヶ月以上たった5月24日に建造物侵入容疑でつくば中央署に逮捕されました。
「表現の自由」とはこういう時にこそ使うべき言葉です。「歓迎しない」「出て行け」と脅しにもならない率直な言葉を使うことが犯罪扱いされてしまうなら、私たちは日常会話すらできなくなります。国会では総理大臣ですら野次を飛ばせるのに、総理大臣は自らの発言を「表現の自由」と責任を取らずにその座にとどまっているのに、私たちには使っていい言葉と使ってはいけない言葉があるというのでしょうか。
私たちがつくばで行われるサミットの科学技術担当大臣会合を問題と考えていた理由の一つは、今回の弾圧にはっきりと現れているように、市民の自由に大きな制限がかけられることでした。それは会議期間中の会場周辺への立ち入り規制や交通制限、大量の警察官による法的根拠などない監視、検問体制といった目に見える形ばかりではありません。公民館のような市民が利用できる施設は期間中に利用できないのはもちろん、会期前から貸し出しに制限がかけられ、一度は借りられたものの貸し出し中止を言い渡されたグループもあります。会場から半径1キロ以内の公園は期間中使用させないようにと内閣府から通達が出てもいます。県や市といった行政が「歓迎」を打ち出している催しに疑問をはさむこと
自体、行政からにらまれるので言いづらいといった雰囲気もあります。サミットは市民の自由と両立しないものなのです。
経済効果がうたわれ、「つくばに世界が注目」とも言われましたが、私たちは今回この国の中で行われている各種の大臣会合の開催地をどれだけ覚えているでしょうか?つくばの市民がほかの開催地の名前を言えるでしょうか?開催地の人すら関心を持っていないのに、世界から注目など浴びるはずもありません。大臣や関係職員、マスコミが若干は来るにせよ立ち寄る先は東京の大資本が経営するホテルやレストランで、地元への還元はほぼないと言っていいはずです。経済学的にはトリクルダウン効果はもう否定されています。実際どれだけの経済効果があったのかはこれから厳しく検証されていくべきです。
プラカードを手にしただけのAさんに、十日の勾留延長がつけられました。呆れてものも言えない、と言いたくなりますが私たちは「表現の自由」を手放すつもりはありません。茨城県警は今すぐAさんを解放しなさい。私たちは今回の弾圧に強く抗議します。
5月27日 つくばサミット弾圧救援会