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つくばサミット弾圧救援会のブログ

5月24日早朝、私たちの仲間Aさんの自宅に突然押しかけてきた茨城県警つくば中央署は窓ガラスを割って強引に侵入し、家宅捜索をした上にAさんを建造物侵入容疑で逮捕していきました。私たちは茨城県警に対し強く抗議し、連れ去られたAさんの一刻も早い解放を求めます。 → 6月14日に解放されました!                 連絡先  メール tsukubakyuuen“あっと”gmail.com        ツイッター つくばサミット弾圧救援会 @tsukubakyuuen  

ATTAC Japan(首都圏)からいただいたメッセージ

つくば科学技術大臣会合の関連イベントに対する抗議の意思表示をしたことを理由に、サミット首脳会合開催直前に令状逮捕した茨城県警、検察、裁判所、そして日本政府に対して抗議し、拘束されたAさんに連帯・支援のメッセージをおくります。

 

◎ 当然のプロテストに対する不当な弾圧

 

G7茨城・つくばサミットを問う会は、つくばで開催される科学技術担当大臣会合に対して、連続の学習会やシンポジウム、そしてデモや申し入れ行動など、他のG7諸国ではごく当たり前にみられる取り組みを行ってきました。今回の伊勢志摩サミットにおいて、G7茨城・つくばサミットを問う会は、いちばん丁寧にサミット問題に取り組んできた団体です。

 

今回の逮捕容疑とされた「科学甲子園というイベントを視察しに来たG7大使館職員に対して、プラカードと肉声で行った抗議行動」についても、他のG7諸国ではごく普通に見られるプロテストスタイルです。特にG7サミットという巨大な政治イベントに対しては、さまざまな異議申し立てや抗議がおこなわれることは、極めて普通のことです。

 

科学技術担当大臣としてつくばのサミットに参加した島尻安伊子担当大臣の選挙区である沖縄では、日米軍事同盟と日本の沖縄差別による米軍基地建設や頻発する暴力事件に対して島ぐるみでの激しい(とはいえ日米政府の暴力とはあまりに非対称のささやかな)プロテストが行われています。こういった異議申し立ては何ら違法でも不当でもありません。

 

◎ 自らの価値観によって不当性が明らかにされたG7サミット体制

 

安倍首相はサミット開催に向けた総理メッセージのなかで、「自由、民主主義、法の支配、人権といった基本的価値を共有するG7」と語っています。今回の弾圧は、G7のいう「自由、民主主義、法の支配、人権といった基本的価値」を如実に表したものだといえます。支配者の都合の悪い意見は弾圧していいというのが、G7のいう「自由」であり「民主主義」であり「法の支配」であり「人権」です。

 

総理メッセージの中で語られている「自由」は、近代民主主義の基礎となったジョン・ロックの思想にそのルーツがありますが、ロックはこう語っています。「人民が社会にとって極めて必要なもの、そして人民の安全と保善の基盤であるものから、なんらかの暴力によって阻まれる場合には、人民も力によってそれを除去する権利を持っている。」

 

いまだ私たちにはG7サミット体制を除去するだけの力はありませんが、異議申し立てを表明する権利はあるのです。それに対する見せしめ的な弾圧は、まさにロックの言う「なんらかの暴力」に他なりません。今回の弾圧によって、G7サミット体制は自ら人民に除去されなければならないことを示したといえます。

 

◎ デモクラシー先生とサイエンス先生

 

G7茨城・つくばサミットを問う会のみなさんが連続学習会やシンポジウムのなかで問うてきたのは、科学技術はいったい誰のものなのか、ということであり、一連の取り組みは「科学」が一部の権力者や大資本によって支配されていることに対する、ささやかな、そして当然の異議申し立てでした。日本政府やG7諸国がすすめる軍事化や原発拡大へのささやかな、そして当然の異議申し立てでした。

 

総理メッセージのなかでG7の基本的価値とうたわれている「民主主義」(デモクラシー)は、G7サミット体制が狭い意味での解釈しか許さない「選挙権」だけを指すものではなく、古い政治体制を打倒する思想的基礎となるものです。

 

近代におけるアジアの学生運動抗日運動、民主化運動の先駆けである五四運動を牽引した陳独秀は、民主主義(デモクラシー)と科学(サイエンス)を擬人化して、次のように説いています。

 

「デモクラシー先生を擁護すると、孔子の教えや礼法、貞節、旧倫理、旧政治に反対せざるをえない。サイエンス先生を擁護すると、旧芸術、旧宗教に反対せざるをえない。徳先生を擁護し賽先生を擁護すると、国粋と旧文学に反対せざるをえない。……中国の政治、道徳、学術、思想など一切の暗黒を治せるのはこの二人の先生だけである。もし、この二人を擁護するためであるなら、政府に迫害されようと、社会に攻撃され痛罵されようと、よしんば首を切り落とすといわれようともお受けしようではないか。」

 

今回の弾圧は、デモクラシー先生とサイエンス先生を擁護したG7茨城・つくばサミットを問う会と反対運動全体への弾圧でした。

 

◎ 科学研究室と監獄

 

1919年の五四運動は、第一次世界大戦の終結後、敗戦国のドイツがもっていた山東省の権益を中国に返還するのではなく日本へ引き渡すというベルサイユ講和条約に抗議する抗日・反帝運動でした。その二か月前には朝鮮でも三・一運動が起きました。この五四運動のなかで陳独秀は、抗議に立ち上がる学生青年に向けて「研究室と監獄」という短文を執筆しています。

 

「世界文明発源地には二つある。一つは科学研究室、もう一つは監獄である。我々青年は志を立て、研究室を出たら監獄に入り、監獄を出たら、研究室に入る、これこそ人生でもっとも高尚にして優美な生活である。」

 

人権無視の日本の代用監獄は決して優美な生活とはいえませんが、Aさんには健康に気をつけて頑張ってほしいと思います。

 

◎ 虹のように溌剌と、G7サミット体制への抗議を続けよう

 

陳独秀はこの文章を発表した3日後に、街頭で北洋軍閥政府批判のチラシをまいて逮捕され、「研究室と監獄」を地で行くことになりました。釈放後も帝国主義体制打倒という実践としての「科学研究室」での活動をつづけた陳独秀は、日本による中国への全面侵略がすすむ1935年、国民党政府に逮捕され南京監獄に収用されます。その時に監獄に面会に来た知人に次のような対句を送りました。

 

「行無愧乍心常坦,身處艱難氣若虹」

 

その意味は「自らの行いに何ら恥じ入るところもなく心はいたって穏やかである。困難な状況に置かれてはいるが、気持ちは虹のように溌剌としている」というものです。陳独秀は日本軍の空爆が激しくなる南京大虐殺の数か月前に減刑釈放、その後も死ぬまで抗日戦争と資本主義体制の打倒を訴え続けました。

 

G7サミットを利用しようとした安倍の目論見は成功しないでしょう。アベノミクスの失敗も明らかになっています。G7サミット体制に反対する仲間は全国、全世界にいます。困難な状況のなかにあるAさんとともに、虹のように溌剌とした気持ちで、一切の暗黒の根源であるG7サミット体制に反対と社会変革の声を上げ続けていきたいとおもいます。

 

2016年5月27日

ATTAC Japan(首都圏)