5・24つくば弾圧への抗議声明 その3
5月15日から17日にかけてつくばで行われた会合は科学技術大臣会合でした。つくば市は「研究学園都市」を自らもって任じている自治体であり、実際さまざまな研究機関がこの地に集まっています。だからこそつくばでの科学技術大臣会合はふさわしいと思ったのでしょう。しかし、そこで行われている研究はどんなものでしょうか。また、研究者は何を考えて研究をしているのでしょうか。
「研究学園都市」つくばを象徴する筑波大学は米軍から研究費を受け 取っていたことが分かっています。国立大学は独立行政法人化して以降その予算を著しく減らされ、研究費用を自分たちで調達せざるを得ず、企業との共同研究が増えています。「学問の自由」も目の前の経済問題には太刀打ちできません。大学に潤沢な資金を提供できる企業の多くは軍需産業でもあります。そしていまや 防衛省も大学にとって重要なスポンサーです。筑波大生への軍事研究についてのアンケートで賛成が反対を上回るのは、学生たちの政治意識だけの問題ではあり ません。彼らを取り巻く社会はとっくにそう判断しなければやっていけないものになっているのです。日本学術会議が長くとっていた軍事研究否定の姿勢を見直 そうとしていることも、そういったことの表れなのでしょう。
近年のサミットでは「対テロ戦争」と核拡散防止が大きなテーマとなっています。と 同時に、3・11以降、福島第一原発事故は世界の多くの人々にとって原子力発電について見直しを迫りました。このこととすでに述べた近年の軍学共同の動き を踏まえ、たとえ科学技術大臣会合のアジェンダが、次世代を担うイノベーション人材の育成やクリーン・エネルギー技術の開発といった当たり障りのないもの だとしても、現地でその会合に対抗してやるべきは科学技術と核・軍事の批判だと私たちは考えました。会合前日の14日には、G7茨城・つくばサミットを問う会として、対抗シンポジウム「科学技術と核・軍事体制を問う」を行い、翌日の15日には「来んなG7、つくばと地球から出ていけ !!! G7茨城・つくば科学技術大臣会合反対デモ」を行いました。私たちはサミットに改良や代案を求めません。頂点の人々に対しては世界を思い通りにしようとするのはやめろというだけです。
私たちが半年かけて行ってきたこれらの取り組みは、実は大変ささやかなものです。参加人数は毎回三十人に届きませ ん。最後の対抗シンポジウムでやっと三十人を超えた程度です。今回の弾圧は私たちが出来たことからすれば過大な評価で、むしろ気恥ずかしくさえあります が、仲間が弾圧され、敵の手に捕らわれているのに遠慮している場合ではありません。今回の弾圧はこの国で取り組まれているサミットに反対するすべての運動 に対する弾圧です。サミットに反対する、異議を感じているみなさん、プラカード一枚分の抗議さえできない状況に危機を感じているみなさん、私たちと共に、 それぞれのやり方で、それぞれの場所で戦ってください。
私たちは今回の茨城県警の弾圧に強く抗議します。裁判所はこれ以上の勾留を認めるな。検察は勾留の延長を求めるな。警察は今すぐAさんを解放しろ
6月1日 つくばサミット弾圧救援会