つくばサミット弾圧救援会のブログ

5月24日早朝、私たちの仲間Aさんの自宅に突然押しかけてきた茨城県警つくば中央署は窓ガラスを割って強引に侵入し、家宅捜索をした上にAさんを建造物侵入容疑で逮捕していきました。私たちは茨城県警に対し強く抗議し、連れ去られたAさんの一刻も早い解放を求めます。 → 6月14日に解放されました!                 連絡先  メール tsukubakyuuen“あっと”gmail.com        ツイッター つくばサミット弾圧救援会 @tsukubakyuuen  

水戸署前激励行動

 29日に水戸129号への二回目の激励行動を水戸署前で行いました。午後1時水戸駅集合で水戸署まで歩き、1時半頃からほぼ三十分。参加は九名と少なめですが、大阪、志摩で集会・デモを戦ってきた「対テロ戦争」と天皇制賛美のG7伊勢志摩サミット粉砕実行委員会の仲間と各地で反サミットの運動を組織しているATTAC Japan(首都圏)の仲間からのアピールのあと、全員のシュプレヒコールで水戸署に「サミット出てけ」「仲間を返せ」「129号を今すぐ解放しろ」「水戸署の留置場は今すぐ全員解放しろ」という私たちの要求をたたきつけました。アピールの中では「水戸黄門のテーマ」まで流れました。弁護士接見時に確認したところ、声が聞こえたと思ったら音楽のボリュームが急に上がったとのことですが、それでもはっきり聞こえたとのこと。「水戸黄門のテーマ」まで聞き取れたのなら房内の反応をぜひ知りたいものです。駅での集合時から公安の監視下でしたが無事やりきりました。参加してくださったみなさん、協力してくださったみなさん、ありがとうございました。

ATTAC Japan(首都圏)からいただいたメッセージ

つくば科学技術大臣会合の関連イベントに対する抗議の意思表示をしたことを理由に、サミット首脳会合開催直前に令状逮捕した茨城県警、検察、裁判所、そして日本政府に対して抗議し、拘束されたAさんに連帯・支援のメッセージをおくります。

 

◎ 当然のプロテストに対する不当な弾圧

 

G7茨城・つくばサミットを問う会は、つくばで開催される科学技術担当大臣会合に対して、連続の学習会やシンポジウム、そしてデモや申し入れ行動など、他のG7諸国ではごく当たり前にみられる取り組みを行ってきました。今回の伊勢志摩サミットにおいて、G7茨城・つくばサミットを問う会は、いちばん丁寧にサミット問題に取り組んできた団体です。

 

今回の逮捕容疑とされた「科学甲子園というイベントを視察しに来たG7大使館職員に対して、プラカードと肉声で行った抗議行動」についても、他のG7諸国ではごく普通に見られるプロテストスタイルです。特にG7サミットという巨大な政治イベントに対しては、さまざまな異議申し立てや抗議がおこなわれることは、極めて普通のことです。

 

科学技術担当大臣としてつくばのサミットに参加した島尻安伊子担当大臣の選挙区である沖縄では、日米軍事同盟と日本の沖縄差別による米軍基地建設や頻発する暴力事件に対して島ぐるみでの激しい(とはいえ日米政府の暴力とはあまりに非対称のささやかな)プロテストが行われています。こういった異議申し立ては何ら違法でも不当でもありません。

 

◎ 自らの価値観によって不当性が明らかにされたG7サミット体制

 

安倍首相はサミット開催に向けた総理メッセージのなかで、「自由、民主主義、法の支配、人権といった基本的価値を共有するG7」と語っています。今回の弾圧は、G7のいう「自由、民主主義、法の支配、人権といった基本的価値」を如実に表したものだといえます。支配者の都合の悪い意見は弾圧していいというのが、G7のいう「自由」であり「民主主義」であり「法の支配」であり「人権」です。

 

総理メッセージの中で語られている「自由」は、近代民主主義の基礎となったジョン・ロックの思想にそのルーツがありますが、ロックはこう語っています。「人民が社会にとって極めて必要なもの、そして人民の安全と保善の基盤であるものから、なんらかの暴力によって阻まれる場合には、人民も力によってそれを除去する権利を持っている。」

 

いまだ私たちにはG7サミット体制を除去するだけの力はありませんが、異議申し立てを表明する権利はあるのです。それに対する見せしめ的な弾圧は、まさにロックの言う「なんらかの暴力」に他なりません。今回の弾圧によって、G7サミット体制は自ら人民に除去されなければならないことを示したといえます。

 

◎ デモクラシー先生とサイエンス先生

 

G7茨城・つくばサミットを問う会のみなさんが連続学習会やシンポジウムのなかで問うてきたのは、科学技術はいったい誰のものなのか、ということであり、一連の取り組みは「科学」が一部の権力者や大資本によって支配されていることに対する、ささやかな、そして当然の異議申し立てでした。日本政府やG7諸国がすすめる軍事化や原発拡大へのささやかな、そして当然の異議申し立てでした。

 

総理メッセージのなかでG7の基本的価値とうたわれている「民主主義」(デモクラシー)は、G7サミット体制が狭い意味での解釈しか許さない「選挙権」だけを指すものではなく、古い政治体制を打倒する思想的基礎となるものです。

 

近代におけるアジアの学生運動抗日運動、民主化運動の先駆けである五四運動を牽引した陳独秀は、民主主義(デモクラシー)と科学(サイエンス)を擬人化して、次のように説いています。

 

「デモクラシー先生を擁護すると、孔子の教えや礼法、貞節、旧倫理、旧政治に反対せざるをえない。サイエンス先生を擁護すると、旧芸術、旧宗教に反対せざるをえない。徳先生を擁護し賽先生を擁護すると、国粋と旧文学に反対せざるをえない。……中国の政治、道徳、学術、思想など一切の暗黒を治せるのはこの二人の先生だけである。もし、この二人を擁護するためであるなら、政府に迫害されようと、社会に攻撃され痛罵されようと、よしんば首を切り落とすといわれようともお受けしようではないか。」

 

今回の弾圧は、デモクラシー先生とサイエンス先生を擁護したG7茨城・つくばサミットを問う会と反対運動全体への弾圧でした。

 

◎ 科学研究室と監獄

 

1919年の五四運動は、第一次世界大戦の終結後、敗戦国のドイツがもっていた山東省の権益を中国に返還するのではなく日本へ引き渡すというベルサイユ講和条約に抗議する抗日・反帝運動でした。その二か月前には朝鮮でも三・一運動が起きました。この五四運動のなかで陳独秀は、抗議に立ち上がる学生青年に向けて「研究室と監獄」という短文を執筆しています。

 

「世界文明発源地には二つある。一つは科学研究室、もう一つは監獄である。我々青年は志を立て、研究室を出たら監獄に入り、監獄を出たら、研究室に入る、これこそ人生でもっとも高尚にして優美な生活である。」

 

人権無視の日本の代用監獄は決して優美な生活とはいえませんが、Aさんには健康に気をつけて頑張ってほしいと思います。

 

◎ 虹のように溌剌と、G7サミット体制への抗議を続けよう

 

陳独秀はこの文章を発表した3日後に、街頭で北洋軍閥政府批判のチラシをまいて逮捕され、「研究室と監獄」を地で行くことになりました。釈放後も帝国主義体制打倒という実践としての「科学研究室」での活動をつづけた陳独秀は、日本による中国への全面侵略がすすむ1935年、国民党政府に逮捕され南京監獄に収用されます。その時に監獄に面会に来た知人に次のような対句を送りました。

 

「行無愧乍心常坦,身處艱難氣若虹」

 

その意味は「自らの行いに何ら恥じ入るところもなく心はいたって穏やかである。困難な状況に置かれてはいるが、気持ちは虹のように溌剌としている」というものです。陳独秀は日本軍の空爆が激しくなる南京大虐殺の数か月前に減刑釈放、その後も死ぬまで抗日戦争と資本主義体制の打倒を訴え続けました。

 

G7サミットを利用しようとした安倍の目論見は成功しないでしょう。アベノミクスの失敗も明らかになっています。G7サミット体制に反対する仲間は全国、全世界にいます。困難な状況のなかにあるAさんとともに、虹のように溌剌とした気持ちで、一切の暗黒の根源であるG7サミット体制に反対と社会変革の声を上げ続けていきたいとおもいます。

 

2016年5月27日

ATTAC Japan(首都圏)

 

5・24つくば弾圧への抗議声明 その2

 3月18日に私たちの仲間Aさんは茨城県つくば市の国際会議場で、サミット参加国大使館職員に「UNWELLCOME G7」「GET OUT OF TSUKUBA」と書いたプラカードを手に英語で抗議しました。それだけで2ヶ月以上たった5月24日に建造物侵入容疑でつくば中央署に逮捕されました。
表現の自由」とはこういう時にこそ使うべき言葉です。「歓迎しない」「出て行け」と脅しにもならない率直な言葉を使うことが犯罪扱いされてしまうなら、私たちは日常会話すらできなくなります。国会では総理大臣ですら野次を飛ばせるのに、総理大臣は自らの発言を「表現の自由」と責任を取らずにその座にとどまっているのに、私たちには使っていい言葉と使ってはいけない言葉があるというのでしょうか。
 私たちがつくばで行われるサミットの科学技術担当大臣会合を問題と考えていた理由の一つは、今回の弾圧にはっきりと現れているように、市民の自由に大きな制限がかけられることでした。それは会議期間中の会場周辺への立ち入り規制や交通制限、大量の警察官による法的根拠などない監視、検問体制といった目に見える形ばかりではありません。公民館のような市民が利用できる施設は期間中に利用できないのはもちろん、会期前から貸し出しに制限がかけられ、一度は借りられたものの貸し出し中止を言い渡されたグループもあります。会場から半径1キロ以内の公園は期間中使用させないようにと内閣府から通達が出てもいます。県や市といった行政が「歓迎」を打ち出している催しに疑問をはさむこと
自体、行政からにらまれるので言いづらいといった雰囲気もあります。サミットは市民の自由と両立しないものなのです。
 経済効果がうたわれ、「つくばに世界が注目」とも言われましたが、私たちは今回この国の中で行われている各種の大臣会合の開催地をどれだけ覚えているでしょうか?つくばの市民がほかの開催地の名前を言えるでしょうか?開催地の人すら関心を持っていないのに、世界から注目など浴びるはずもありません。大臣や関係職員、マスコミが若干は来るにせよ立ち寄る先は東京の大資本が経営するホテルやレストランで、地元への還元はほぼないと言っていいはずです。経済学的にはトリクルダウン効果はもう否定されています。実際どれだけの経済効果があったのかはこれから厳しく検証されていくべきです。
 プラカードを手にしただけのAさんに、十日の勾留延長がつけられました。呆れてものも言えない、と言いたくなりますが私たちは「表現の自由」を手放すつもりはありません。茨城県警は今すぐAさんを解放しなさい。私たちは今回の弾圧に強く抗議します。
 
5月27日  つくばサミット弾圧救援会

29日に激励行動やります

 29日に、今度は不当な監禁を続けている水戸警察署に対して抗議と水戸129号ことAさんへの激励行動を行います。13時にJR水戸駅改札に集合です。多くのみなさんの参加をお待ちしております。

勾留延長つきました

 26日に水戸地方裁判所に送られ十日の勾留延長が付きました。予想されたこととはいえ、怒りを禁じえません。プラカード持って声出しただけでどうして十日も引き伸ばして拘束されなければならないのか!裁判官は本当に独立して、自身の良心に従って判断しているのでしょうか。(検察と裁判所は仲良く交流しているそうですからそもそも独立していないか。)

激励行動報告

 25日午後初めにに地検押送があるとのことで、急遽激励行動を水戸の地検前で行いました。
 水戸129号ことAさんが現在閉じ込められている、劣悪な官制宿泊拘禁施設である水戸警察署は水戸駅近くの官庁街にあります。水戸署から水戸地方検察庁までは歩いて数分の距離しかありません。わざわざ車で移動しなくともよさそうなものですが、短い距離を化石燃料を燃やして移動させています。地検前の道路の反対側に陣取り、五人で激励行動を行いました。と言っても、地検に押送されてくる人数は少なく、東京での激励行動のように何人乗っているか見当もつかないバスが何台も入ってくるのではなく、ぽつんぽつんと乗用車が入ってくるだけで、私たちもそれにあわせて思い出したように声を上げるのどかなものでした。「水戸129号がんばれ」「中もがんばれ、外もがんばるぞ」「サミット出てけ」と声を上げていると、それらしき車が確認できました。あとで接見した弁護士によると水戸129号もはっきりこちらの行動が確認でき、勇気づけられたようです。検察職員のほかに水戸署からも監視に来ていたようですが、妨害もなく無事行動は終わりました。

5・24つくば弾圧への抗議声明 その1

 

5月24日早朝、私たちの仲間Aさんの自宅に突然押しかけてきた茨城県警つくば中央署は窓ガラスを割って強引に侵入し、家宅捜索をした上にAさんを建造物侵入容疑で逮捕していきました。私たちは茨城県警に対し強く抗議し、連れ去られたAさんの一刻も早い解放を求めます。

 容疑とは3月18日につくば市国際会議場で行われた科学甲子園というイベントを視察しに来たG7大使館職員に対して、プラカードと肉声で行った抗議行動を指しています。つくばの同じ国際会議場で5月に行われる科学技術担当大臣会合の問題性を指摘していた私たちは、会合そのものへ参加して抗議の声を直接届けることはまず無理と考え、せめて大使館職員に直接、文字通りの意味で声を届けようとしました。当日大使館職員を前にプラカードを掲げて声を上げ、警備員に追い出されて行動は終わりました。それから2ヶ月以上過ぎて、いまさらの逮捕です。私たちのつくばサミットへの取り組みは昨年12月に始まりこの5月のつくばでのサミット前日の対抗シンポジウムと当日のデモで終わっています。だからこれは単にAさんや私たちの取り組みに対する妨害、弾圧ではありません。今行われている「伊勢志摩サミット」への抗議行動全体に対する弾圧であり、見せしめと考えてます。

 プラカードを掲げての抗議行動は誰にでもできる、一番手軽な抗議行動といっていいでしょう。もちろん場所も問いません。閉ざされた会場で行われていたのならまだしも誰に対しても開かれていた(だから入れました)会場での、きわめて穏健な、原初的と言ってもいいような抗議行動をすら弾圧していいのなら、弾圧はどんどん拡がっていくでしょう。これを許せば、私たちはやがて路上での抗議も、それどころかこれまた文字通りの意味で声を上げることもできなくなってしまいます。今のように、ほかの国からすればおよそ控えめなデモや抗議行動すらも、今以上に政府や国家の視線を気にしながらでしか行えなくなるということです。もはやそんな国に民主主義などありません。 

  サミットとは英語で山頂のことだそうです。七つか八つの国が「先進国」のさらに頂点と自称して、「先進国」に都合のいい秩序を押し付ける集まりがサミットです。そんな集まりはただの「先進国」のわがままだし、民主的でもありません。そのような集まりの問題性を指摘し、抗議をすることは「先進国」だと思っている国の政府や警察には面白くないでしょうが、自分たちの気に入らない者、意に沿わない者を好き勝手に逮捕する国が先進国であるはずがありません。もっとも、私たちが今住んでいるこの国が先進国かどうかなど、日々の暮らしにあえいでいる、頂上であるよりはむしろ底辺と言っていい私たちにはどうでもよいことです。

私たちは5月24日につくばで行われた弾圧に抗議し、逮捕されたAさんの一刻も早い解放を、茨城県警に求めます。

 

5月26日 つくばサミット弾圧救援会

 

連絡先 090-8441-1457 (加藤)
メール tsukubakyuuen“あっと”gmail.com

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ブログ 「つくばサミット弾圧救援会のブログ」 http://tsukubakyuuen.hatenablog.com/

 

 

「5・24つくば弾圧への抗議声明に賛同します」

 
★賛同
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★連帯・支援のメッセージをお願いします。
メッセージはブログにアップロードさせて頂きます。
(                           )

 

上記のフォーマットに記入の上、メール:tsukubakyuuen“あっと”gmail.com(“あっと”を@に置き換えて送信下さい。)にお送りください。 
 

 

★救援カンパのお願い
弁護士費用や交通費などの諸経費のために、ぜひみなさまのカンパをお願いいたします。
郵便振替で、用紙に「つくばサミット弾圧救援会へ」とお書きいただき、以下へお振り込みください。
 
口座番号:00100-3-105440 「救援連絡センター
 
※救援会の正式な郵便振替口座が開設しましたら、あらためてご連絡します。

 

※5月28日に一部修正。タイトルを「5・24つくば弾圧への声明 その1」から

「5・24つくば弾圧への抗議声明 その1」に変更しました。